2 わが国国際航空の活動
わが国の経済成長に伴う出入国旅客の増大,世界経済の繁栄による観光熱の高まりなどの需要増とわが国の国際航空の路線網の充実,国際競争力の強化により,41年のわが国の国際定期航空の輸送実績は旅客27億2,000万人キロ,貨物1億2,400万トンキロと前年に比べてそれぞれ34.3%,44.1%の増加であつた。わが国の国際航空旅客の伸びを過去10年間についてみると, 〔1−2−13図〕のとおりである。世界国際航空の伸び率は10〜20%と毎年大きな伸び率を示したが,わが国の国際航空の伸び率は35年を除いてそれを上回つたので,わが国の国際航空が世界において占めるシエアは増加の一途をたどり,40年にはIATA加盟100社中の日本航空(株)(輸送量等は 〔1−2−14表〕に示す。)のランキングは有償トンキロで第11位になつた。
![]()
つぎに東京国際空港出入国旅客の動向をみると各国航空会社全体で24%の増加があつた。このなかで,日本航空(株)の横取比率は前年の29.4%から31.0%へと向上した。また,同空港の出入国貨物は4万1,000トンと対前年比46%の増加であつた。これは運賃値下げにより電子計算機,家庭電気機器,機械部品などの輸送が増大したこと,日米貿易が一般的に拡大したこと,ベトナム戦争の影響があつたことなどによる。同空港における日本航空(株)の航空貨物積取比率は25%程度であるため,わが国の航空貨物輸送体制の強化が検討されている。
![]()
![]()
41年における航空関係国際収支は 〔1−2−15表〕のとおりである。旅客運賃の受取りが対前年度比59%の増加であつたため,従来2,000万ドル以上の赤字であつた旅客運賃収支が210万ドルの赤字に改善された。
|