1 石油製品石油製品は石炭から石油へのエネルギー転換による需要の増加のほか,石油化学工業原料としてもその需要が年々増加しつつあるが,生産量は35年度対比で2.3倍となつている。 石油精製工場は原料輸入とその製品輸送の利便のため臨海部に立地しているが,地域別には南関東,東海,近畿,山陽の4地域に集中し,これら4地域の工業出荷額ば全国の91%を占めるに至つた。 輸送量は35年度対比で2.2倍となつており,地域別には 〔2−2−10図〕に示すとおり主要4生産地で約63%を占めている。域内流動率は約65%を占めており,輸送機関別には自動車が約70%を占めているが,域間輸送では内航海運が着実な伸びを見せて84%を占めるにいたつている。これは臨海部の工場から臨海部の第1次配分基地(油槽所)までの輸送が主として沿岸油送船やはしけによつて行なわれているためである。この基地からはタンク車,タンクローリー,はしけ等により第2次基地あるいは需要家へ輸送されている。国鉄ではこのような動向に対して内陸部の消費地に共同基地を建設し,港頭から専用列車による集約輸送を実施しようとしている。パイプライン輸送はわが国が海に囲まれていて船舶が利用しやすいという立地のためにコンビナート以外では現在あまり利用されていないが,将来内陸部への輸送手段として,あるいは現在積極的な検討が進められている共同原油輸入基地(C.T.S.)との関連から発達するきざしがみえている。
![]()
![]()
|