2 セメント


  セメントは近年建設ブームによる強い需要に支えられて,生産量は35年度対比で41%の伸びを示した。地域別には主として北九州,山陽に集中しているため,従来から西産東需型と呼ばれているが,セメント需要が官公需の比率が高まるにつれ民需ウェイトの高い都市圏より地方後進地域への分散移行が行なわれだしたため,この傾向は変化しつつある。
  このような需要の地域的変化に応える意味もあつて各工場は年々包装所(工場外貯蔵出荷設備)を増設し,そこへ総出荷量の約1/2をタンカーおよび専用貨車によつてバラ積輸送している。トラックは包装所からの二次輸送および近距離輸送に利用されている。
  輸送量は 〔2−2−11図〕に示すように35年度対比で13%の微増にすぎない。地域別には南関東,阪神,東海,北九州など主要消費地が約半分を占めているが伸び率では南関東を含む東日本が高い。域内輸送では自動車が主力となつているが,域間輸送では内航海運の伸びが大きい。


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