2 東海道新幹線
(1) 概況
東海道新幹線は,開業以来2年半を経過したが,その間車両増備,3時間10分運転の実現等により逐次輸送力が増強され,41年10月より列車設定本数は全線直通46,その他14.5計60.5往復となつた。また利用状況も良好で 〔I-(I)-9表〕のように旅客輸送量鈍化のなかで,新幹線の利用客のみは大幅な増加を示し,42年7月13日には開業以来1億人をこえ,名実ともに国民の足となつている。
(2) 利用状況
年間の輸送人員は,約4,400万人であり,対前年度比41%増という目ざましい伸びを示した。月別に1日平均の輸送人員をみると3月の15万8,000人を最高に9月を除いて各月とも10万人をこえている。
他方,1人平均乗車キロでは前年度の343.9キロから4%減の330.8キロとなり,近距離旅客が増加している。つぎに41年11月の実態調査による旅客構成についてみると,職業別では,サラリーマン(会社員,公務員)55.5%,旅行目的別では,用務客が56.4%と過半を占め,旅行日程についても2日の旅客が28%,つぎに4~6日が23%の割合を示し,利用年令層も20歳,30歳台が60%を占めており,用務客,短期観光客とも新幹線を大いに利用していることを示している。
最後に乗車駅別に調べてみると,関東(南)が38.8%,京阪神24.9%,東海18.1%の順となつており,かつ,ひかり号停車駅以外の駅における乗降人員の著しい増加が目立つている。
これらは,新幹線の出現で東京~大阪間の距離がますます短縮され交流の度合が激しくなると同時に輸送力の増強および安全性に対する信頼度の向上などにより沿線都市相互間においても新幹線が国民の交通機関として有効に利用されていることを物語つている。
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