1 鉄道車両の生産動態


  昭和41年度の需要先別生産実績は 〔I−(I)−28表〕のとおりで,総額653億円,対前年度比14%の減少を示した。これをトム型15トン貨車に換算した総合両数では60,952両,対前年度比7.7%減であつた。
  需要先別にみると,まず国鉄においては第3次長期計画の2年目に入り引き続き車両の増備を計画していたが,予定収入の伸びなやみに関連して車両費の大幅な削減により,生産においては,約410億円となり,対前年度比26.1%の大幅な減少を示す結果となつた。民需においては引き続く大手私鉄の輸送力増強計画および大都市における地下鉄の建設に伴う電車の増備ならびに重化学工業の好況を反映した私有タンク貨車の伸長等に伴い,引き続きコンスタントな実績を示し,生産総額は119億円,対前年度比4%増を示した。つぎに輸出においては国際競争の激化と輸入国の外貨不足等輸出環境は依然好転しているとはいえないが,アフリカ地域,大洋州地域および欧州地域等に対する積極的な市場開拓を推進したことおよび数年来の輸出商談が41年度に解決するという幸運もあり,契約実績においては1億400万ドル(375億円)の最高の実績を記録し,生産においても124億円,対前年度比43%の大幅な増加を示し,ともに戦後最高の実績を記録した。
  以上のように41年度の鉄道車両の生産は,輸出の伸長により,内需の減少をある程度カバーできた結果になつたが,従来からの実績が示すとおりわが国の鉄道車両工業は,国鉄への依存度がきわめて高く,国鉄の需要動向は業界の好不況の鍵とさえ云われていただけに今後はこのような内需の波動的需要に対処するためにも鉄道車両業界がこの際思い切つた生産の合理化をはかり,内需依存の傾向から脱皮するとともに,国際競争力を培養し輸出の振興を強化する必要がある。


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