2 好調を続ける船舶輸出


  造船業はわが国の代表的輸出産業の一つであり,31年以降年間1,000億円前後の船舶を輸出してきたが,近年その輸出量は急激な伸びをみせ,41年度は2,963億円の船舶を輸出し,わが国貿易収支改善に大きな役割りを果している。
  輸出船受注も近年大幅な伸びをみせ,41年度は総計262隻,882万総トン,147億ドル(5,277億円)に達した。
  この受注量は40年度に比較して総トン数で59%,金額で58%増加である。
  これら輸出船の仕向地は 〔II−(IV)−4図〕のとおり,ほとんど全世界にわたつている。

  41年度の国別受注量は,便宜置籍国であるリベリアおよびパナマが全体の43%および14%であり,前年度に比べ145万総トン及び41万総トンの伸びを示した。
  英国および中華民国は全体の19%および1%であるが,前年度に比べればそれぞれ4倍および6倍になつている。
  また地域別注量では前年度に比べ東南アジア3.9倍,中近東アフリカ向けが4.4倍であり,続いて西欧が1.6倍と大幅に増加している。
  反面,共産圏からの受注は40年度に引き続き減少している。
  また,日韓経済協力協定に基づく韓国向輸出船を6隻,4万総トン受注したことも新しい事柄の一つである。
  これらの輸出船を船型別にみるとき,まず注目されるのは,15万重量トンをこえる超大型タンカーが38隻,439万総トンにのぼつていることである。
  この受注量の41年度輸出船受注量に占める割り合いは総トン数で50%,金額で38%となつている。
  以上のほか,1万〜3方総トン級の船舶は88隻,140万総トンで,全体に占める割り合いは総トン数で16%である。
  また1万総トン以下の多目的貨物船や木材運搬船は,68隻,54万総トンで,全体の6%(総トン数比)を占めている。


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