2 造船関連工業製品の輸出入


(1) 関連工業製品の輸出

  41年の造船関連工業製品の輸出は対前年比40%増の総額981億円,すなわち,単体輸出117億円,間接輸出(輸出船塔載製品)864億円を輸出した。これは造船関連工業全生産高の54%に当る。
  このように大幅な輸出増を記録した原因として,@輸出船建造量の大幅な増大による,船舶建造量に占める輸出船の比重の増大A造船関連工業製品搭載のウェイトの低いタンカーの全輸出船に占める比率の減少B荷役の合理化を目的として,荷役装置の操縦性向上を図るため,より高度な機械を採用する船舶の増大C東南アジア向け小型機関に代表される単体輸出の堅調な伸び 〔II−(IV)−12図〕, 〔II−(IV)−13図〕等が挙げられる。
  これら輸出品を品目別に眺めれば,内燃機関366億円,ぎ装品315億円,補助機械244億円,タービン・ボイラ56億円となつている。
  輸出に対する今後の課題の中で,従来,輸出におけるネックとされていたアフターサービスの問題についても関係団体またはメーカー自身による海外出先機関が年々拡充され,アフターサービス宣伝等に効果をあげているが,国内の船舶建造量の如何にかかわらず経営の安定を図るためには単体輸出の促進について今後いつそうの努力を払う必要があるであろう。

(2) 関連工業製品の輸入

  41年の造船関連工業製品輸入額は対前年比35%増の193億円に達した。
  これ等の大部分は輸出船搭載の形で再輸出されており,輸出船の建造量の増加にともなつてその量は年々増加している。即ち,輸出船搭載用需要のうち主機関の6%,補助機械の33%,ぎ装品の19%,全体では18%が輸入品で占められている。国内需要のための輸入品のほとんどは高速機関と船外機であるが,これは小型高速船の主機関またはレジャー用品として輸入されるものである。
  品目別でみれば,全輸入額に対して主機関22%,補助機械43%,ぎ装品35%の比率で輸入されており,特に輸入量の大きい製品は甲板機械,冷凍装置および空気調和装置,電気機械,航海計器である。

(3) 試験研究補助金の交付

  船舶関係試験研究補助金の交付は,造船技術の研究を促進する目的で,昭和26年度以降実施され,41年度までに261件4億4,202万円が交付され,大きな成果をあげてきた。
  最近3年間の交付状況は,39年度15件に対して,3,864万円,40年度17件に対して,3,580万円,41年度12件に対して4,240万円となつている。
  なお,39〜40年度は,高経済性船舶の建造に関する研究を重点的に取りあげ実施してきたが,41年度は,巨大船の建造技術に関する研究に重点が移され,12件のうち「巨大船建造にともなう国産大型船用蒸気原動機プラントの開発研究」ほか6件に2,693万円を交付し,民間における技術研究を大いに促進した。これに引続き,42年度においても,巨大船関係の技術研究を中心に10件4,106万円が交付されることになつている。


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