2 造船関連工業の設備状況
造船関連工業の機械設備は,企業の設備の近代化意欲と経営の好調に支えられて,5年未満の新鋭設備のウェイトは昭和41年において30%を超えたが,一方では増大する仕事量の消化に追われて老朽設備の廃棄が遅れており,このことが生産性の向上を遅らせている原因となつている。したがつて今後の設備投資の方向は単に仕事量に応じた設備を増設することにとどまることなく,長期的視野に立つた新鋭設備の設置と老朽設備の廃棄を推進する必要がある。
造船関連工業全体の設備投資の動向としては,わが国一般の設備動向に追随しており,41年6%増,42年29%増である。しかし,これを企業規模別にみると中小企業は船舶の受注動向に1年遅れた動きを示すといわれているが41年22%増,42年3%増,中堅企業は虹年42%増,42年0.2%増である。これに反し,大企業は41年0.6%減,42年38%増と一般機械製造業の動きに一致した動きを示している。すなわち,大企業は一般の景気動向により強い影響を受けるに反し,中小企業・中堅企業は造船業の受注動向により強く影響されることを示している。
設備投資資金の調達法としては,40年において自己資金の比重は54.5%であつたが41年は62%とその比重を増加させており,企業の体質改善が着実に行なわれていることを示しているが,他の主要製造業の41年84%に比べればまだ改善する余地がある。
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