3 航空灯火
昭和41年2月,3月および11月に発生した航空事故の対策として航空長期政策の再検討がなされ,その一環として42年度を第一年とする空港整備5ケ年計画が定められた。この空港整備5ヶ年計画の実施により,各空港の施設は運航効率の面でも,安全の面でも一段と増強されることとなるが,飛行場灯火の整備目標は,国際空港については,国際基準として認められている最新の照明方式を採用し,国内線第2種空港では,全て滑走路灯を高光度とし,昼間低視程時の安全向上を図り,さらにILS,PAR等の無線誘導施設に対応する進入灯火,滑走路灯火を整備する。すなわち,ILS,PAR等精密進入可能な無線誘導施設の設置に応じ,標準式進入灯に,連鎖式閃光灯を併置し,さらに大型ジェット機の就航する場合には,接地帯灯,滑走路中心線灯,滑走路距離灯等を設置する。従来飛行場灯火のなかつた第三種空港には,高光度滑走路灯,進入角指示灯を主とした基本的な飛行場灯火を設置し,地形並びに気象等の必要に応じて,進入灯,進入灯台,進入路指示灯等を整備する。これらの整備計画は,従来ややもすると,運航の効率化に重点が置かれていたのに対し,安全性の向上を充分考慮したものである。
昭和41年度中に整備された飛行場灯火の主なものは,進入角指示灯を函館,大分,宮崎の3空港および大阪国際空港の滑走路14側に,閃光式滑走路未端補助灯を函館,仙台,広島,松山の空港に,滑走路距離灯を大阪国際空港にそれぞれ設置した。
42年度に整備を計画している灯火は,進入角指示灯を新潟空港滑走路および大村,仙台の両空港に,閃光式滑走路末端補助灯を釧路,新潟,高松,小倉,大村,宮崎,鹿児島の空港に,滑走路距離灯を名古屋空港にそれぞれ設置する。また本年度より始まる第3種空港の飛行場灯火の整備は,青森,宇部の両空港に,それぞれ,飛行場灯台,高光度滑走路灯,同末端灯,閃光式滑走路末端補助灯,進入角指示灯,誘導路灯,風向灯等の基本的灯火を設置する。
航空障害標識は40年に引き続き,高層建築,超高圧送電線等の建設がさかんに行なわれたのに伴い,41年中に,新しく航空障害灯138件573灯,昼間航空障害標識102件の設置があつた。
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