1 世界の航空輸送界における輸送機の就航状況および機材の発注,引渡し状況
昭和41年12月末現在,世界の航空会社が便用している最大離陸重量9トン以上の輸送機の総数は5,867機で,その内訳はターボ・ジェット機が1,666機(総機数に対する割合は28.4%),ターボ・プロップ機1,132機(同19.3%),ピストン・エンジン機3,069機(同52.3%)となつている。すう勢としては,ターボ・ジェット機が年々増加しているのに対し,ピストン・エンジン機は年々減少する傾向にある。また,中間機種といわれるターボ・プロップ機はこれまで900台であまり増減がなかつたが,41年には1000台を越えた。一方,各種機材の有効トンキロからみた輸送力の割合は,機数において全体の28%を占めるに過ぎないターボ・ジェット機が年間総輸送力の79%を提供し,残りの12%をターボ・プロップ機が,9%をピストンエンジン機がそれぞれ提供しており,ターボ・ジェット機の輸送力は,総輸送力の50%を超過した36年以来,急速な増加を示している。
つぎに,41年における新しい機材の開発については,この年,ジェット機354機の引き渡しが行なわれ,うち129機が双発のBAC-111,DC-9およびカラベルであり,3発の輸送機は主としてボーイング727で116機であつた。航空会社へ引き渡されたターボ・プロップ機は144機で,このほとんどすべてが短距離双発の機材である。またこの年発注されたジェット機の数は合計649機となり,40年の発注数よりは若干少ないが,これ以前の年のそれに比し数倍も増加している。発注の内訳をみると,そのほとんど半数が双発および3発の輸送機でありDC-9およびボーイング727が最も多くなつている。また,490人乗りのボーイング747,いわゆるジャンボージェット機並びにDC-8の胴長改造大型機すなわちDC-8の60シリーズに対する発注はそれぞれ81機および61機あつた。
ICAO加盟国の航空会社に引き渡されたジェット輸送機の41年12月末現在の累積総数は1,712機に達し,うち50%以上は長距離4発の旅客機である。現在発注中の1,160機の引渡しを完了すれば,引渡済みジェット機数は2,872機となる。4発,双発および3発の旅客機の割合はそれぞれ全体の40%,29%および18%となり,残り13%は貨物機となる。
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