1 わが国国際航空の活動


  昭和42年の世界の国際航空輸送実績はICAO(国際民間航空機関)統計によると,旅客1,040億人キロ,貨物35.7億トンキロで,前年よりそれぞれ14.3%,14.8%の増となつた。また有償トンキロは139億トンキロで前年より15.2%増となつた。これに対しわが国国際航空の輸送実績は旅客34億7,400万人キロ,貨物1億3,100万トンキロで,その伸び率はそれぞれ34.0%,32.3%と世界の伸び率を大きく上回つた。また,日本航空と世界の主要民間航空会社の最近5年間における輸送実績の伸びを比較しても,日本航空が特に大きな伸びを示していることがわかる。( 〔1−2−4図〕参照)そして,昭和42年,日本航空は,IATA加盟国の民間航空会社のなかで,旅客人キロで10位,貨物トンキロで7位,両者をあわせた有償トンキロでは,8位を占めている。

  東京国際空港における国際線旅客数は,年々増加の一途にあり,昭和42年には,142万人に達した。これら国際旅客のうち約70%が外国人で占められており,日本航空をはじめ世界の航空会社21社が競合している。このうちでも,太平洋路線利用者のウェイトは大きいが,最近米国航空会社の太平洋への大量進出問題がおこり,注目を集めている。この問題は,現在,米国民間航空委員会において審査中のところ,これが実施された場合には,超大型機の導入とも相まつて供給過剰状態が現出するおそれがあり,わが国国際航空活動に与える影響が懸念される。


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