2 財務状況


(1) 資産と資本の構成

  42年度における総資産に占める固定資産の割合を業種別にみると, 〔1−5−6表〕のとおり,外航海運83%,私鉄80%,乗合バス77%,ハイヤー・タクシー64%となっており,いずれも全産業平均46%に比し高い比率を示している。つぎに42年度の総資本に占める固定負債の割合をみると,全産業では27%となっているのに対し,運輸業は,固定負債の占める比率が高く,特に外航海運業の67%,国鉄の57%,内航海運業の49%,乗合バス,ハイヤー・タクシー業の46%が高率で,運輸業がその設備資金の多くを長期借入金に依存していることを顕著に示している。

(2) 固定比率と流動比率

  42年度における運輸事業の固定比率を業種別にみると, 〔1−5−7表〕に示すとおり,全産業平均の202%に対し,国鉄および倉庫業では全産業並みといえるが,海運業,私鉄,トラック,乗合バスでは,自己資本の不足によりきわめて高い比率となつている。しかしこれらの業種も資本調達に際し,自己資本の不足を固定負債で補つているので,固定長期適合率では60〜90%の範囲におさまつている。
  つぎに,流動比率については,運輸業平均で96%となつており,全産業の106%と比較してやや低い。業種別には,乗合バスと区域トラックがともに66%ときわめて低い。外航海運は41年度の69%から42年度は96%へと大いに改善された。


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