2 国際運賃の動向


  外航海運の運賃は,同盟の規制による表定運賃制をとつているため,ほぼ安定した動きを示す定期船運賃と,その時々の船腹需給関係で決定される不定期船運賃,油送船運賃にわけることができる。昭和42年度における定期船運賃については,6月のスエズ運河の閉鎖に伴い航海距離の延伸等による経費増をカバーするための10%の特別割増料金徴収の決定,11舟のポンド切下げの際におけるポンド建運賃の改訂などがあつた。42年度における不定期船,油送船の運賃市況は,スエズ運河が閉鎖されるに至り,1〜5月からの低迷から脱し,6〜12月平均の不定期船運賃指数(英国海運会議所調べ。35年=100)は131.8と1〜5月平均の27.1ポイント増,油送船運賃市況は1〜5月平均49.9(ノルウェー・シツピング・ニュース誌調査,MOTレート=100),6〜12月平均159・2で約3倍となり海運市況は高騰した。しかしながら,近年は鉱石などの海上荷動きにおいて,長期契約分の専用船による輸送が増加し,また多くの大型油送船において長期契約によつて安定した運賃で輸送されており,それらはこのような運賃変動の影響は受けていない。
  国際航空運賃については,その大部分について協定運賃制度がとられているが,38年4月以降関係各社および関係航空当局間による協定運賃となつていた太平洋運賃は,41年5月以降値下り傾向にあり,42年度においても10月,43年1月と改訂が行なわれた一方,42年6月からパリにおけるIATA会議において,太平洋運賃をIATA協定運賃にすることについて合意をみせており一応の落ちつきをみることとなった。


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