1 道路交通事故
東京都および大阪府について,道路交通事故件数の最近10年間の推移をみると, 〔2−2−15図〕に示すとおり,東京都については34年および35年の15万件台を境として以後ば減少傾向にあり,大阪府こついては30年代の後半において停滞気味となつているが,42年にはともに増加している。30年代後半において,停滞気味に推移したの賦は,大都市の中心部において道路混雑により速度が低下したことと,歩車道分離等の安全対策が進んだことによるものと思われる。これに対し東京都の三多摩,東京都に隣接する県など大都市周辺部における交通事故は増大の傾向にある。
![]()
東京および大阪圏の道路交通事故による死者数および負傷者数は 〔2−2−16表〕に示すとおりで,特に負傷者数の増加が目立つている。死者数については,両地域圏内の各都府県とも全国の傾向に類似しており,,41年はいずれの地域も対前年に比べ増加,42年は埼玉県を除いて減少している。人口10万人当り死者数では,全国平均が13.6人であるのに対し,東京は6.7人と低く,埼玉が20.2と著しく高い。
![]()
負傷者数については,東京においては39年,40年と停滞ぎみであつたが,4年,42年には再び増加に転じているほか,その他の府県においても増加傾向にある。人口千人当り負傷者数では,地域差はあまりみられないが,一部を除いて各都府県とも全国平均よりやや高い値にある。
![]()
大都市における道路交通事故の概要は以上のとおりであり,今後もこれらに対する種々の施策が政府,民間の両者において強力に押し進められていかなけれぱならない。東京都はその43年度予算に1おいて重点施策として交通安全対策をとりあげている。
|