2 物資別適合輸送


  物資別適合輸送については, 〔I−(I)−19表〕の適合貨車を増備するとともに積卸し施設等を整備して自動車等の適合輸送を本格的に実施した。

(1) 自動車

  昭和41年度から開始された自動車の輸送については,二段式乗用車専用特殊貨車を290両増備し,41年度輸送量(2万7,000台)の約9.6倍に当る25万8,000台の自動車を輸送した。

(2) 石油

  昭和42年10月1日に国鉄出資の日本オイルターミナル株式会社の高崎,上田両基地が営業を開始し,京浜および京葉地区から専用列車によるピストン輸送を行ない,19万5,388トンを運んだ。

(3) 粉粒体穀物

  昭和41年度から開始された粉粒体輸送については,粉粒体専用ホッパ車200両を増備し,41年度輸送量の約4倍にあたる44万5,000トンの輸入小麦,輸入飼料原料等を港から内陸工場へ運んだ。

(4) 生鮮食料品

  生鮮食料品輸送を行なう冷蔵貨車による高速特急鮮魚列車(時速100km)は,昭和41年から北九州地区より東京市場,大阪市場間に運転を開始していたが,42年度から「とびうお号」は広島産カキの輸送を加え,かつ,その復路利用として冷凍魚輸送を行ない,また,「ぎんりん号」は,大阪地区における到着駅を大阪市場1駅に神戸市場および京都市場を追加する等の改善を図つた。
  なお,青果物および野菜輸送については,季節列車および急送品輸送列車で対処しているが,今後生鮮食料品の一貫輸送体制の整備のため,大都市における食料品センターの設置を計画中である。

(5) その他

  チップ専用貨車,コイル専用貨車,板ガラス専用貨車,まぐろ専用貨車の改造増備等物資別適合貨車の拡充を図つた。
  また,私有貨車に依存している石油,液体化学物資,薬品,セメント等の物資が増加傾向にあるので,私有貨車の空車返送運賃を昭和42年11月から引き下げ私有貨車の増備を促進する措置をとった。


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