1 収支の概況昭和42年度の国鉄の営業成績は 〔I−(I)−21表〕のとおりである。
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42年度の日本経済の動向および国鉄の増収への努力等を反映して収入は比較的順調にのびたが,仲裁裁定の実施等による人件費の増加借入金の急増による利子負担の増加により,経費ののびが収入ののびを上回つた。この結果42年度の営業損益は947億円の損失となり,これに営業外収支を加えると事業純損失は941億円と39年度以降4年連続赤字決算となつた。
旅客収入についてみると昭和41年度減少傾向にあつた定期外旅客輸送量が新幹線の好成績(輸送人キロ対41年度比24%増)および国鉄の積極的な営業施策の推進により上昇したこと等に伴い対前年度比432億円(8.%)増の5,916億円となつた。
経費については,前年度と同様,人件費,利子及債務取扱諸費の増加が著しく,対前年度比11%増の9,508円となつた。人件費についてみると,国鉄職員の平均年令は43年4月現在,37.7才であり高令化の傾向を示しており,これに伴う人件費の増加は国鉄財政悪化の要因の一つともなつている。42年度においても仲裁裁定の実施により6.5%プラス300円のベースアップが行なわれたため人件費は対前年度比11%増の3,849億円となつたがこれは営業経費の40.5%,直接費(人件費,動力費,修繕費,業務費,租税,公課の合計額)の57.1%,営業収入の45.0%にあたる。利子及債務取扱諸費についてみると対前年度比21%増の1,012億円となつたが,これは第3次長期計画に必要な工事資金の多くを外部資金特に財政投融資以外の利率の高い特別債等にたよらざるをえなかつたことによるものである。
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