2 財政状態


  昭和42年度末における国鉄の資産負債状況は 〔I−(I)−22表〕に示すとおり資産総額は2兆9,076億円で前年度より2,221億円(8%)増加し,負債総額は1兆8,585億円で前年度よむ3,090億円(20%)増加した。また繰越欠損金は損益勘定において941億円の損失を生じたため1,477億円となつた。このため負債資本総額に占める負債の比率は58%から64%と年々悪化してきている。

  国鉄では40年度以降第3次長期計画に必要な工事資金の一部を新たに利率の高い特別債を発行して調達しており,42年度末残高は3,236億円に達している。第3次長期計画の遂行のためには依然巨額の外部資金に頼らざるをえず,利子負担増は将来にわたつて国鉄財政の重大な圧迫要因となるおそれがあり,人件費の増大等と相まつて国鉄の財政事情は憂慮すべき状態にある。


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