4 労働問題


(1) 労働関係

  国鉄内には現在,国労(国鉄労働組合),新国労(新国鉄労働組合連合),動労(国鉄動力車労働組合)の3つの全国的組織を持つ労働組合がある。このうち国労およぴ動労は総評に加盟し,新国労は同盟に加盟している。なお,これらの組織に属する組合員は,昭和43年4月現在,国労27万4,155人,新国労7万2,886人,動労6万1,394人となつている。
  42年における国鉄内各労組の動向は概要次のとおりであつた。3月に動労が,賃金格差,東海道新幹線乗務員数等の問題で,5月に国労,動労が賃金引上げ問題で,9月には国労,動労が新賃金の配分,機械化,近代化,職場団交権等の問題で,また,10月には国労がベトナム戦争反対等の問題で,それぞれ職場集会,ビラ貼り,組合側のいわゆる順法斗争等の斗争を行なった,特に3月に国鉄当局が関係組合に提案した5万人の機械化・近代化事案については労使間で10数回の交渉を重ねたが,機関車の1人乗務,検修作業体制の近代化等については労使が鋭く対立し,国労,動労は9月および12月中旬に合理化反対斗争を行ない,約7,900本の列車に運休ないし遅延を生じ旅客約300万人に影響を与えた。

(3) 要員問題

  国鉄の職員数は昭和42年度末現在で46万7,791人であり,26年以降現在までほぼ横ばいの線を維持し,この間の経済成長に伴う輸送量の増加に対しては,業務の合理化,機械化を推進し,職員の労働生産性を向上させる一方,合理化によつて生み出された労働力を配置転換して労働力の有効な活用を図ることによつて対処してきた。
  さらに,43年度中に勤務時間の平均約2時間短縮のため必要となる2万人および同年10月のダイヤ改正による大幅な列車増発のため必要となる3万人,合計5万人の要員についても,第3次長期計画による設備および作業方式の近代化あるいは作業の外注化等により生ずる要員を充てることとして要員不増の方針を堅持している。


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