2 各国商船隊の動向


  42年年央における世界商船船腹量は,前年同期に比べて,1,097万総トンの増加を示したが,増加量を国別にみると,日本が216万総トンで首位となり,ついでリベリアが200万総トン,ノルウェーが196万総トン,ソ連が113万総トン増加しており,世界船腹の増勢は,40年および41年と同様この4か国によつて支えられている。一方,米国は41年に比べて46万総トン減少し,予備船隊を除くと約1,200万総トンとなり,英国はじめ西欧諸国の商船隊も大きな増加をみせていない。
  その結果,41年には3位であつたリベリアが2,260万総トンで首位となり,英国2,172万総トン,米国2,033万総トンが2位・3位となり,以下ノルウェー1,838万総トン,日本1,688万総トン,ソ連1,062万総トンの順となつている。
  米国はリベリア置籍船を大量に保有するギリシャと同様に,米国船主がリベリア等に置籍している船舶を加えると,米国の実質的な保有量は予備船隊を控除しても2,000万総トンを超えるものと推定され,結局,英,米,ギリシャが世界のトップ・グループを形成し,船腹の増勢の著しいノルウェー,日本およぴソ連がこれに続いており,これら商船隊の国際競争はますます激化しようとしている。
  一方,コンテナ船隊の整備状況をみると,北米/欧州間は41年以来,米国鉛主およびこれに対抗する欧州海運会社6社のグループであるACLなどにより11隻が就航しており,20数隻が建造中と伝えられている。太平洋航路にも米国船主が42年9月からコンテナ輸送を開始し,邦船も6隻が本年秋より就航する予定である。また,英国/豪州,米国/地中海,英国/五大湖間の航路にコンテナ船の配船が計画されている。

  本年4月末における商船船腹の発注量をみると,2,000隻7,000万重量トンを超えており,そのうち油送船が4,443万重量トンと過半数を占め,バルク・キャリアーが1,733万重量トンとこれに次いでいる。また,発注国別にみると,223隻1,755万重量トンを占めるリベリアを筆頭に,英国(150隻825万重量トン),日本(125隻644万重量トン),ノルウェー(138隻643万重量トン)がこれに次いでおり,これら諸国の発注している油送船の大型化の傾向(各国別に平均して18万重量トン〜12万重量トン)は顕著なものがあり,バルク・キャリアーに養いても,平均トン数は4万重量トンを超えるなど同様な傾向がみられる。


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