1 事業の概況


  42年8月1日現在の国内旅客航路事業の概況は, 〔II−(I)−24表〕のとおりである。従来地域住民の足として欠くことのできなかつた沿岸航路や離島航路が沿岸道路の整備あるいは海峡築橋の案現により,陸上交通機関に需要を吸収された結果,経営が悪化して廃止して行く例をみる一方,人や貨物を積載したまま自動車を航送するいわゆるフエリー事業は,自動車交通の発展とともに急速な伸びをみている。

  一方,近年の旅客輸送機関に対するスピード・アップの要請にこたえ,水中翼船やエアー・クッション艇が就航をみている。しかしながら,コストが高いうえに風波に弱いため,外海の気象条件の悪いところでは欠航率が高くなり,このため十分な需要を確保できないといつた特性から航路の選定が難しく,すでに就航を中止した例も多い 〔II−(I)−25表〕

  水中翼船やエアー・クッション艇の普及には,これに適した航路の研究,コストの軽減,耐波性の強化などさらに検討を加えていくべき点が多いと考えられる。


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