1 造船関連工業の生産


(1) 造船関連工業製品

  造船関連工業製品は船舶に搭載される機器の総称であり,その品種は200種に及んでおり船価の40%を占める。したがつて船舶の建造費,船価,技術革新にきわめて密接な関係を有し,造船業と相互に影響を受けつつ発展する宿命を有している。これら造船関連工業製品の機種別,生産比率別構成をみると,ディーゼル機関,船外機等の内燃機関が全体の41%を占め,次いで航海用計器,航海用具,弁等のぎ装品31%,甲板機械ポンプ,熱交換器等の補助機械22%ボイラ,タービン6%となつている。

(2) 昭和42年における造船関連工業製品の生産高

  昭和42年の造船関連工業製品の生産は,対前年比20.6%増の2,185億円に達した。この伸び率は39,40年には及ばないが前年の18%を凌駕するものであり,39年以来4年間にわたり生産は上昇を続けていることになる。
  生産の品種別生産実績および対前年比較は 〔II−(IV)−9表〕のとおりであるが,技術的にみて衰退の運命にある焼玉機関を除いて、どの品種についても生産量は増大している。就中,伸び率の高いものはボイラーの31.5%で,これはタンカーの建造量が増大していることと航行中のタービン発電機用熱源として大型ディーゼル主機関の排気を利用するにあたつて必要となるボイラーを設備する船舶が増大していることに起因している。次に補助機械は船舶の輸送効率を高め,とくに船舶の省力化を図るための操縦性に優れた高度の機械が要求されるようになつたため,甲板機械を中心とした伸びが著しく24.0%の増大を示した。

  しかしながら,造船関連工業製品の生産額のうち最大のウエイトを持つディーゼル機関は,一般の機械工業に比べて低い値ではないとはいえその伸びは鈍化して,16.5%に止まつたことはタービン,ボイラーの増加と表裏をなすものである。

(3) 大型船舶用機関の生産

  昭和42年におけるわが国の大型船舶用機関の生産は,ディーゼル機関329万馬力,タービン機関43万馬力を記録した、これはそれぞれ世界の38.4%,57.9%のシェアーを占めることになり,本年も世界一の地位を保持している。


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