2 造船関連工業製品の輸出入


(1) 造船関連工業製品の輸出

  昭和42年の造船関連工業製品の輸出は対前年比26%増の総額1,222億円であり,その内訳は単休輸出138億円,間接輸出(輸出船搭載製品)1,084億円であつた。これは造船関連工業全生産高の56.6%に当り,伸び率は前年に及ばなかつたが,輸出額,輸出比率ともに史上最高である 〔II−(IV)−10表〕。このように大幅な輸出増を記録した原因としては,@輸出船建造量の大幅な増大のため船舶建造量に占める輸出船の比重の増大,A荷役の合理化を目的として,荷役装置の操縦性の向上を図るため,より高度な機械を採用する船舶の増大,B東南アジア向け小型内燃機関に代表される単体輸出の順調な伸び等のここ数年来みられる傾向に加えて,従来外国船主の指定または支給により輸出船搭載用として輸入されていた機器類が国産品の実績が認められるにしたがつて国産品に切換えられつつあること,および従来国産技術では生産費,性能の点で外国技術より劣るものが存在したが,これについても自己開発,あるいは技術導入により製造可能となつたこと等も大きな要因として見逃せない。

  また,単体輸出についても,従来は小型ディーゼル機関がその主体であつたが,最近は,大型ディーゼル機関,補機用ディーゼル機関をはじめ,甲板機械,荷油ポンプ等の補助機械が欧米諸国オーストラリア等の先進諸国の造船所に直接輸出される傾向になつてきたのが注目される。
  輸出に対する今後の課題の中で,アフターサービスの充実は最大の問題であるが,これについて関係団体またはメーカー自身による海外出先機関が年々拡充され,部品のストックを計画する等アフターサービス宣伝等に効果をあげているが,国内の船舶建造量の如何にかかわらず経営の安定を図るためには単体輸出について金額,地域,品種の面でいつそうの拡大に努めなければならない。

(2) 造船関連工業製品の輸入

  昭和42年における造船関連工業製品の輸入額は対前年比28.4%減の141億円であつた。これらの大部分は輸出船搭載の形で再輸出されているが,前項のような理由で前年より減少したことは,わが造船関連工業の成果として注目される。したがつて造船関連工業製品の輸出船搭載尾需要のうち外国製品の占めるシェアーは前年の17.6%から12.5%へと大幅に下落している。
  国内需要のための主な輸入品は高速機関と船外機であるが,これらは小型高速船の主機関またはレジャー用品として輸入されるものである。品目別で特に輸入の多いものは甲板機械,航海計器,電気機械等で,この傾向は近年変化はないが,空気調和装置の輸入量減少が著るしい。


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