2 研究体制の整備


(1) 試験研究補助金の交付

  企業合理化促進法第3条に基づく試験研究補助金の交付は,昭和26年以来実施され,船舶関係では42年度までに271件,483百万円が交付され,大きな成果をあげてきた。
  最近の交付状況は,40年度17件に対して35.8百万円,41年度12件に対して42.4百万円となつている。42年度は10件に対して41.O百万円が交付され,うち巨大船の研究開発に関するものが8件,36.7百万円で大部分を占めている。なお,最近の傾向として研究規模が大型化しており,1件当りの補助金額も増加している。

(2) 民間企業の研究投資について

  資本の自由化,技術導入の自由化の進みつつあるわが国にとつて,民間企業における自主技術の開発は重要な課題となつている。しかしながら,わが国造船企業における研究投資額は41年度で約33億円(総理府統計局「科学技術研究調査報告」による。)で売上高に占める割合は0.8%と少なく,日本の製造業全体の平均1.1%よりなお低い値である。造船業における研究投資額の推移は 〔II−(IV)−12図〕のとおりである。

  一方,国内技術の不足分を補充するため,欧米先進諸国からの技術導入が大幅に行なわれており,41年度の船舶関係の技術使用料支払額は,約55億円に達している。

(3) 政府および民間諸団体の研究について

  造船技術の開発研究に対する政府および民間研究諸団体の研究投資額は217件,約890百万円で,うち政府関係157件,約480百万円,民間諸団体60件,約410百万円である。
  近年技術革新の進展に伴つて研究開発規模も著しく増大してきており,わが国においても巨大船に関する研究開発,高経済船に関する研究開発,機器単体の開発および大型プロジェクトの実施等技術開発に関し諸外国に遅れをとらぬよう努力しているが,さらに今後の技術開発を推進していくためには研究費を大幅に拡充する必要がある。


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