2 被害の状況
近年,石油関連産業の急激な発展と海上交通量の急増に伴い,日本沿岸各海域において多量の廃油が船舶から排出され,海水汚濁の原因となつている。このため,港内,沿岸等の衛生や美観が損われているのみならず,漁場,海水浴場等で被害が続出している。わが国沿岸で船舶から排出される廃油の年間の量は,昭和39年で1,000万トンを超えるものと推定される。とくに,のり,かき等をはじめとして,水産物の受けた被害は大きく,水産庁の調査によると,直接被害及び間接被害を含め,昭和40年度約50億円に達している。
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