1 幹線


  札幌から東京,大阪を経て福岡に至る路線を国内航空路の大動脈として幹線と呼び,夜間便を除き日本航空(株)および全日本空輸(株)の2社により運営されている。その運営状況は 〔III−11表〕のとおりである。

  昭和42年度における幹線の旅客輸送実績は 〔III−12表〕のとおり旅客数337万人,旅客人キロ24億9,211万人キロで前年度に比べそれぞれ41%,40%の大幅増加となつている。また,座席利用率は,58.7%と前年度の47.2%に比べ著しい改善を示している。このように幹線の輸送実績が飛躍的に向上したのは,41年の相次ぐ航空機事故の影響を受けて激減した航空旅客需要が42年度において著しく回復したためであり,とくに後半における需要の伸びには目ざましいものがあつた。幹線は,比較的遠距離路線であること,ジェット機により運航されていること等から航空輸送の高速性という利点が最も生かされる路線であり,幹線の航空旅客需要は,今後ともかなり増大することが予想される。

  42年度の旅客数を路線別にみると,東京-大阪線が依然として最も多く,ついで東京-札幌線,大阪-福岡線,東京-福岡線の順となつている。しかし,その伸び率は,東京-大阪線が最も低く,東京-大阪線の幹線全体に占める比重は,ここ数年来低下傾向にある。


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