4 飛行検査
近年航空交通量の著しい発達に対応して,長期計画に基づく航空保安無線施設,管制施設,航空通信施設,航空灯火の整備拡充が行なわれてきたが,航空機の運航の定時性と安全性はこれらの施設が正確に機能を保持しているか否かに負うところが大きい。しかし,空間の電波は地形地物の影響を受けるので,地上での調整測定の結果得られる電波の状態が必ずしも空間での状態と一致しない。したがつて飛行検査により正常な状態の確認,調整を行なう必要がある。この飛行検査の実施方法および年間実施回数については飛行検査基準を定め,それに従つて行なつている。現在航空局の保有する飛行検査機はDC-3型1機YS-II型3機の計4機である。なお,これに従事する検査要員は操縦士12名,無線技術士12名,機体整備士15名の計39名であり,検査対象施設はNDB75局,タワー48局,位置通報局11局,VOR15局,VORTAC5局,タカン(航空機に方位と距離を表示する特性をもつた電波を発射する施設)1局,DME3局,ASR6局,ARSR1局,SSR(二次監視レーダー)6局,PAR4局,ILS4局,進入灯4局,進入角指示灯19局,計202局である。
今後に残された大きな課題は,検査対象施設の増加に応じて機数を増加させることと,航空機の大型化,高速化に対応し要求される高々度検査のためのジニット機を確保することである。
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