3 航空機乗組員の適性管理


  航空機の高性能化にともない,航空機に乗り組んでその運航に従事する乗組員の身体的,心理的な航空適性および適性管理の重要性は,航空機の安全運航および人命の安全の確保の見地から,ますます高まつている。特に,41年に頻発した大型航空機の事故にかんがみ,41年度から3カ年計画により,新たな要素を加味した乗員の医学的,心理的適性基準を検討し,設定するための基礎的調査研究を進めている。その初年度は,大型ジェット輸送機乗員の医学,心理学的基礎研究第2年度は欧米諸国における航空医学,心理適性検査とその管理の現状の調査を行ない,最終年度としては,これまでの調査研究の集大成と医学,心理適性基準の検討と改訂のための補備的調査を行なうことにしている。
  このような見地から,現行身体検査基準の改訂,心理適性基準の採用の検討,検査指定医師の責任体制の確立,航空事業者における乗員の健康衛生管理体制の確立等,乗員の航空適性の確保に関する具体的方策を確立するため,航空審議会の中に新たに設けられた部会での調査審議の結果得られるその答申を受けて,乗員の適性管理を強力に推進する運びとなつている。


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