3 経営状況


  ホテルの経営状況についてまずその経営規模をみると43年3月末現在,個人経営3.2%,資本金5,000万円以下の会社23.3%,5,000万円を越える会社73・5%となつており,一般的には大規模であるといえる。しかし,ホテル業は客室を主体とする固定資産を中心とする産業であるから,総資産中に占める固定資産の比率は,41年度について87.9%(全産業平均46.5%)と著しく高く,かつ,近年における新増築に伴う借入金依存度の高さを反映して自己資本は18.5%(全産業平均では23.2%)とかなり低いという実情にあり,地価,建設資材の高騰,金利負担の増加等のためホテルの経営は容易でない。
  ホテルの収支関係は毎年悪化の一途をたどり,地区別の収益関係比率についてみると, 〔IV−31表〕のとおりとなつており,京浜・京阪神以外の地区では,依然として不振の状態にある。

  なお,全国主要ホテル79軒の41年度の総収入のうち室料のしめる割合は26,3%,食事料35.5%,飲物料9.9%,サービス料6.7%,その他21.6%で飲食料収入は室料収入の1.7倍であること,また総支出のうち人件費の占める割合23.9%,飲食材料費18.6%,支払利息13.4%,減価償却費10.1%で人件費を多く要する産業であること等が特徴的である。つぎに客室数と従業員数との関係を登録ホテルについてみると,50室未満のもの1室当り2.6人,400〜499室のもの1.7人,1,000室以上のもの0.6人となつており,客室が多くなるに従つて,1室当りの従業員は少なくなつている。


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