1 事業の概要通運事業の主要な業務は,鉄道で輸送される物品の鉄道への託送または受取,貨車への積卸,集配であり,鉄道貨物輸送の末端作業を担当している。したがつて,鉄道と通運事業とは表裏体の関係にあり,鉄道貨物輸送の増減等が通運事業に大きな影響を及ぼす。 昭和43年度における通運事業の業務量は, 〔I−(II)−24表〕のとおり,鉄道貨物の停滞に伴い,ほぼ前年度なみにとどまつた。これを業態別にみると,国鉄貨物輸送の近代化施策としての物質別適合輸送等専用線輸送の推進によつて限定免許事業者(取扱物品その他業務の範囲が制限されている通運事業者)の業務量はかなり伸びたが,反面,一般免許事業者の業務量は相対的に減少した。
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43年度末現在における通運事業者数は,一般免許事業者433業者(対前年度3業者減),限定免許事業者550業者(対前年度27業者増)で,その事業規模は 〔I−(II)−25表〕に示すとおり,取扱数量が年間5万トン以下の事業者が全体の50%を占めている。
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一方,大企業のうちでも日本通運(株)は,資本金434億円通運関係従業員約6万人(全体の53%)で,取扱数量においては全体の56%を占め,他の企業との格差が大きいことがこの業界の著しい特徴である。
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