3 協同一貫輸送の推進


  企業経営が急速に高度化し,輸送の需要側からは安全,確実,迅速,低廉,便利な輸送への要請が一段と増大する中でトラック事業もこうした要請に応ずるためには,各種の輸送手段を組み合わせ,コンテナ,パレットを利用したドア・ツウ・ドアの一貫輸送方式を確立することが肝要である。フェリー,フレート・ライナー等をトラック事業者が利用する形態は一種の協同一貫輸送である。

(1) カーフェリー

  従来のフェリー輸送の形態は,「渡船」的性格のものが多かつたが,最近,陸路と並行した「海のバイパス」ともいうべき長距離フェリー(神戸-小倉,川崎-細島,東京-神戸等)が関発されてきており,これをトラック事業者が道路替りに利用する場合は,労働の節減(2人乗務から1人乗務又は無人化へ),運行経費の節減,車両の延命化,交通事故の回避等のメリットが考えられる。

(2) フレート・ライナー

  フレート・ライナーは,鉄道のもつ大量高速性と近距離輸送にすぐれた機動性をもつトラックとの協同一貫輸送サービスを定時定型的に提供する輸送体系であり,東京〜大阪間における東海道ライナー・サービスは昭和44年4月25日より開始され,今後その他の区間についても逐次整備されることになつており,今後の発展が注目される。これは鉄道のトラックに対する競争力の強化である反面,鉄道とトラックの協調という面も見逃がせない。これをトラック事業者が利用する場合には,カーフェリーを利用する場合と同様のメリットが考えられる。


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