6 内航貨物運賃


  零細企業の乱立と船腹過剰による過当競争のため,内航運賃は, 〔II−(I)−23図〕に示すとおり,長期にわたり低迷を続けていたが,41年6月に内航海運業法に基づく標準運賃が,石炭,鉄鋼,重油の3品目に関する主要7航路につき告示されたのを契機として,全国組織である内航大型船輸送海運組合,全国内航輸送海運組合および全国内航タンカー海運組合において,42年2月,3月に内航海運組合法に基づく調整事業として調整運賃が設定され,過当競争の排除とあいまつて,内航海運業の経営改善に役立つている。

  これらの調整運賃は,石炭と鉄鋼の一部については, 〔II−(I)−24表〕に示すとおり43年2月と3月に一部改訂されて現在に至つている。
  なお,44年4月の船員争議の結果,船員費が大巾に上昇したことに伴うコストアップについては,今後,合理化による吸収および吸収出来ない部分についての運賃改訂が問題となろう。

  なお,このほか35年9月に発足した「北海道定期航路運賃同盟」(加盟会社10社)が海上運送法の規定に基づき北海道,本州間の定期貨物船の雑貨,鋼材,車両等について運賃と配船の調整とを行なつており,41年6月以後据置となつていた本州積み北海道揚の運賃について港湾料金の引上げおよび日曜荷役作業の一部休日化に対処するため,44年4月1日から京浜積18%(車両は14%),阪神積15%,関門積13%の引上げを行なつた。


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