7 内航海運対策実施の成果


  41年5月に閣議決定された内航海運対策要綱に基づく内航海運対策は43年度をもつて一応終了した。
  すなわち,近代的経済船の整備と過剰船腹の処理を目的とする代替建造3カ年計画では,27万3,000総トンの老朽貨物船等を一挙に解撤または輸出し,17万9,000総トンの内航船を船舶整備公団との共有方式により建造し,過剰船腹の是正に大きな効果をもたらすとともに,不経済船が整理され,これに代つて近代的大型船が建造されたため,内航海運の合理化,近代化に著しく貢献した。また,日本内航海運組合総連合会による共同係船(3万重量トン分,係船期間は42年3月から約1年間)も船腹需給の改善に貢献するとともに,内航海運業者の海運組合を中心とする結束の強化に役立つた。また,内航海運業法の一部改正による事業の許可制は44年10月以降は完全実施となるが,これにより内航運送業者を中心とする企業規模の適正化と業界の秩序の確立が図られるものと期待されている。このようにして,内航海運は,かつての不況からようやく立ち直りかけ,自立体制確立への基盤が整備されるに至つた。


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