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3 フェリー事業の現状と問題点
フェリー事業は,近時における自動車交通の発展に伴つて急速な成長を示している。フェリー航路は35年に5航路を数えるに過ぎなかつたが,40年ごろから航路の開設があい次ぎ,それにつれて自動車の航送台数も急増し, 〔II−(I)−31表〕のように43年には,134の航路において249隻7万5,000総トンのフェリー・ボートが就航し,年間830万台の車両を航送するに至つている。
また,旅客フェリーについてトン数別就航船舶数,航路距離別航路数をみると,就航船舶は,長距離フェリーの出現に伴つて5,000総トン以上の船舶の就航がみられたのをはじめ,一般的なフェリー需要の増大に対応して年々大型化しているが,現在では全体の半数以上が100総トンから500総トンのものによつて占められている。また,航路の距離は10kmから30kmのものがもつとも熱くなつている。
航送車両の車種別構成は, 〔II−(I)−33表〕に示すとおりトラックの占める比率が66%と圧倒的に高く,次いで,乗用車31%,バス3%という順になつている。これは,フェリー事業が,本土,北海道,四国,九州間あるいは島嶼相互間を結ぶ「動く橋」として,わが国経済の成長に伴う地域間の物資流動の活発化に大きく寄与していることを示している。また,乗用車の航送も相当数に達していることは,乗用車による旅行範囲がフェリー・ボートの利用により大巾に拡大していることを示すものといえよう。
このようなフェリー事業の隆盛の反面において,44年5月に続発したフェリー航路における乗用車の転落による死亡事故を契機にフェリー・ボートの安全輸送について世間の関心が急激に高まつている。従来から,運輸省としては,船舶の構造面や船員の労務管理等について,関係法令により,その規制および指導を厳しく行なつてきたが,これを契機に,事故防止について事業者に対し一層の注意を喚起すると同時に可動橋や接岸施設の整備をはじめ,運航管理面や船舶の構造面について二重三重の安全措置を講じるよう諸般の準備を進めつつあり,その一環としてフェリーボートの離発着時等における作業についての基準を作成するよう事業者の指導にあたつている。
従来のフェリー航路を航路の性格により分類すると@本州,北海道,四国,九州を結ぶ幹線的な航路A湾の入口の2地点間を結ぶ短絡航路B本土と離島間を結ぶ離島航路などに分けられるが,43年8月,陸上の幹線道路や幹線鉄道と並行して小倉/神戸間452kmを結ぶフェリー航路が開設され,新しい形態の長距離フェリー時代への第一歩を踏み出すこととなつた。さらに 〔II−(I)−34表〕のように,45年10月には東京/神戸,川崎/細島(宮崎県)等に同様なフェリー航路の開設が予定されており,また,東京/苫小牧,小樽/舞鶴,鹿児島/神戸間等についても申請があい次いでおり,本格的な長距離フェリー時代に突入しようとしている。なお,小倉/神戸間フェリーの営業開始以来の成績は,月ごとに上昇傾向をたどり順調なスタートとなつている。
さらに,将来運転手を添乗させないフェリー輸送が一般化してくれば,それによるトラック人件費の削減が期待でき,コスト面におけるフェリー利用のメリットが一層増大するものと考えられる。
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