1 定員


(1) 商船

  商船の定員は 〔II−(II)−11表〕及び 〔II−(II)−12表〕にみるように,外航船,内航船ともに前年に比べ各トン数階層とも1名前後減少している。
  外航の各トン数階層についてみると,3,000〜5,500トン階層では職員にほとんど変化はなく,部員で一,二名の減少がみられる。

  また,5,500〜10,000トン階層では職員0.7名部員0.5名10,00トン以上の階層では職員0.7名,部員0.9名の減少で,全般的に部員合理化の傾向がうかがわれる。職員の減少は,5,500トン以上の階層に見られるが,これは,昭和42年12月の労働協約の改定により,通信士が従来の3名から2名に減少したためと思われる。
  労働組合の組織率100%に近い外航と,組織率40%前後の内航とでは定員についても著しい相異がある。 〔II−(II)−12表〕の内航Aは,比較的労働組合の組織率の高い企業に属する船舶の定員状態を示し,内航Bは組織率の低い企業に属する船舶の定員状態を示すものであるが,このA,Bの同一トン数階層についてみると,各階層とも3〜4名の定員差があり,この定員差は,昭和40年以来ほとんど変化がない。また,内航Aでは各トン数階層とも,毎年ほぼ1名前後の減少がみられるに対し,内航Bでは,700〜1,000トン階層の場合を除いては定員減少の鈍化,頭打ちがみられる。このような内航における同一トン数間の定員格差は,内航における船員関係の中心問題となつている。

(2) 漁船

  漁船の定員は, 〔II−(I)−13表〕にみるように「その他のまき綱」において増加がみられたほかは,減少の傾向を示している。なかでも「1そうまきあぐり巾着網」と省力化に最も積極的といわれる「トロール」の2〜4名の減少が目立つている。


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