船員法は,船員が一年以上連続して乗船した場合,陸上における休暇(有給休暇)を付与することを船主に義務づけている。この有給休暇は,商船においては法の基準を上廻るものを労働協約で付加休暇として定めて付与されており,その日数は漸増の傾向にある。 有給休暇中は,一定の賃金と食料金が支給されることになつており,また「労働日」に与えることをたてまえとしているため,休暇中に休日が含まれる場合には有給休暇日数に算入せず協約上別の賃金を支給することを定めているのが通例である。 商船における法定基準日数と労働協約で締結された付加日数の内容は 〔II−(II)−15表〕のとおりである。
未組織船員の分野では,法定有給休暇日数も完全に付与されていない模様であり,また,漁船においては,船員法上有給休暇規定の適用が除外されているため,労働協約により保障されているものを除き,その実態は商船に比べ遅れた状況にある。