3 スウェーデン
米国に次ぎ,世界で2番目に賃金水準の高い国であるスウェーデンは,造船業の伝統,高い教育水準,労使関係の協調を背景に徹底的な造船施設の合理化,技術革新に努める方,海運国である隣国ノルウェーを顧客として,着実な発展をとげている。しかしながら,政府助成は少なく,国内資金市場は狭少であることから,造船所はユーロダラー市場での建造資金の調達をも余儀なくされている現状である。これに対しスウェーデン政府は1969年秋から特別融資制度を導入することにより船価の50%までの建造資金を低利で年間6億クローネ(総額40〜50億クローネ)相当融資することが確実視されている。この融資制度の目的は造船所間の協調体制の確立と長年財政資金を投入して再建を図つてきたウデバラ造船所問題の解決を促進することにあるといわれているが,いずれにせよ本措置によむスウェーデン造船業は国際競争力のある資金調達能力を具備することが予想される。
|