3 設備投資
昭和43年度の設備投資額は,主要造船所28工場でみると 〔II−(IV)−9表〕に示すように合計443億円で,42年度設備投資実績にくらべ5.9%増を示した。この設備投資を船台,船渠,岸壁,運搬設備,船体加工組立設備,電源等の造船部門とディーゼル・タービンボイラー設備等の造機部門,間接の部門に分けて42年度設備投資額と比較すると,造船部門は276億円で対前年度比3.0%増,造機部門は48億円で12.6%の減,間接部門は78億円で40.8%の増加となつている。
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間接部門への投資が大幅に増加しているのは,従業員のための住宅建設に相当高水準の投資がなされたためであり,この辺に最近の労働力確保の困難性がうかがわれる。
中小造船所(3,000G/T未満の船舶の造修を主として行なう造船所)の43年度の設備投資額は46億円で,42年度に引きつづき積極化しており,生産関係への投資も約36億円と高い水準を維持している。その設備投資の内容についてみると運搬用機械(クレーン,ウインチ,曳船)への投資が目立ち全投資額の約35%を占めている。これは生産コスト低減のためブロック建造方式が一般化しこのために運搬用機械の合理化,近代化が図られたためである。次に多いのは船台関係(船台,ドック,岩壁)で全投資額の約28%を占めている。これは仕事量の増大と船型大型化に対処し能力を増強したこと,および船台等が未整備若しくは老朽化していた企業がそれらを整備するための投資を行なつたものである。
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