2 通信施設
海上保安庁は海難発生情報を迅速・確実に入手し効果的救助を行なうため,通信施設として陸上無線局107か所,救難用方位測定局22か所,巡視船艇および航空機298局を有し,これにより一般船舶の発する遭難通信・緊急通信等の海難通信を聴守する体制をとつているほか,航行警報・港務通信・気象通報などの海上安全のための通信を行なつている。
最近国際的に超短波無線電話(VHF)の利用が増加し,これに対処するため43年度までに東京湾から瀬戸内海を経て北九州に至る陸上部署11か所ならびに巡視船艇114隻にVHF通信施設を整備したが,44年度には陸上部署17か所を整備する計画であり,これにより日本周辺海域全般にわたつてVHFの聴守体制が整備される。このほか27MC帯無線電話を利用する小型漁船約2万隻と救難に関する通信を円滑に行なうため,43年度までに51隻の巡視船に方位測定機付27MC帯送受信機を整備した。44年度には更に10隻に整備することとしているが,引き続き全巡視船に整備する予定である。更に遭難信号自動発信機(SOS発信機)をとう載している船舶は,44年1月現在約2万隻に達しているが,その聴守体制を整備するため42年度までに全国22か所に救難用位測定局を設置し,43年度には地形が複雑なため効果的な陸上方位測定局の配置の困難な瀬戸内海地区の巡視船艇38隻に方位測定機の整備を行ない,わが国周辺海域の測定体制を完成した。
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