1 路線運営状況
わが国の国際路線は,全日本空輸(株)が沖縄線を運営しているほかは,日本航空(株)が独占的に運営している。
昭和44年3月現在のわが国の国際路線運営状況は, 〔III−5表〕のとおり33路線週128往復で,前年同期に比べると5路線,34往復の増加となつている。これは43年度に東京――バンクーバー線,ニューヨーク――パリ線が開設されたのを初めとして路線構成の多様化が図られるとともに太平洋線東南アジア線等で大幅な増便が行なわれた結果である。
太平洋線では,東京――バンクーバー線の開設等路線構成の多様化が図られ,また便数も前年度の週27往復から週43往復へと増強された。とくに貨物便について覇貨物輸送需要の増大に対処して前年度の貨客混用便週6往復から43年度は貨物専用便週6往復が運航され,輸送力は著しく増強された。
北回り欧州線では,前年度より1往復増の週7往復が運航された。なお,44年4月からはハンブルグ――フランクフルト間の新設路線を含めさらに4往復増便され週11往復の運航となつた。このなかにはフランス国営航空,ルフトハンデ・ドイツ航空およびアリタリア・イタリア航空との共同による貨物専用便週1往復が含まれている。
東南アジア線および沖縄線では,台北,沖縄の需要増に対処するため新たに東京――台北週4往復,東京――沖縄週6往復の直行便が開始されたのを初め大幅な増便が行なわれた。その結果,これらの路線全体としての便数は,前年度の週35往復から週51往復(日本航空(株)のみ)に増強された。なお,44年8月現在ではさらに10往復増の週61往復運航となつている。
このほか,大西洋線,南回り欧州線でもニューヨーク――パリ線の開設,ベイルート寄港の開始により路線構成の多様化と増便が行なわれている。
つぎに,機材についてみると,日本航空(株)は,43年度にDC-8型機を22機,CV-880型機を7機国際線に投入した。DC-8型機22機のうち5機は,従来のDC-8型機(130人乗り)より大型の新鋭機材DC-8-62型機(153人乗り)であり,43年度に新たに投入されたものである。
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