2 わが国の輸送活動


  上述したように,44年のわが国の貿易量は,輸出3,683万トン,輸入3億8,773万トン,計4億2,456万トンに達し,国際旅客流動量は入国135万人,出国134万人,計270万人にのぼつた。
  貿易量の大部分は海上貨物で,航空貨物はいまだ極めて微々たるものであるが, 〔1−2−3図〕に示すように年々急速に伸びており,40年の3万1,000トン,全貿易量の0.014%から44年には9万4,000トン,0.022%に増大した。航空貨物の品目も従来,季節雑貨,衣類,印刷物,光学機械類が主であつたのが,最近では電気機器類,機械類等の割合が大きくふえている。 44年の貿易量のうち,邦船による輸送量は,輸出1,430万トン,輸入1億8,651万トンで,43年に比べそれぞれ29.0%,18.5%増加した。この結果邦船積取比率は,輸出38.8%,輸入48.1%となり,43年より輸出で2.4ポイント,輸入で0.4ポイント向上した。これは,わが国の外航船腹の拡充によるものであり,45年3月末の外航船腹量は,前年同期比13.7%増の2,004万総トンに達した。また,外国用船を含めた44年の積取比率は,輸出56.1%,輸入60.8%と,43年よりそれぞれ1.9ポイント,1.4ポイント向上した。

  44年のわが国国際航空貨物量のうち,わが国航空の輸送量は3万2,000トンで,43年に比べて50.9%増加した。積取比率は34.3%で,前年より1.4ポイント向上した。これは,わが国航空の北回り欧州線で,貨物専用便の運航が開始されたのをはじめ,各路線で増便等の強化がはかられたためである。
  わが国への出入国旅客の大部分を占める航空旅客は,44年には 〔1−2−4表〕のとおり263万8,000人に達し,43年に比べて30.9%増と大幅に増加した。このうちわが国航空による輸送量は98万5,000人で,43年に比べ30,3%の増加となつた。これは,わが国航空の輸送力が,新しい航空機材の投入や各路線の増便等によつて強化されたためである。しかしながら,国際航空旅客の伸びが,わが国航空の輸送力の伸びを上回つたため,積取比率は37.3%と,43年より0.2ポイント低下した。

  以上のようなわが国海運,航空の輸送活動の結果,国際輸送活動指数(40年=100)は220.3となり,43年より24.1%伸長した。このうち,国際貨物輸送活動指数は215.1,国際旅客輸送活動指数は281.6と,それぞれ43年より23.5%,29.8%の伸びを示した。


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