2 輸入貨物輸送


  44年のわが国の輸入は,150億2,350万ドル,3億8,773万トンで,このうち邦船による輸送量は1億8,651万トン,積取比率は48.1%であつた。
  44年の輸入量を主要品目についてみると, 〔1−2−6図〕のとおり,原油,鉄鉱石,石炭の三品自の合計は,総輸入量の69.6%を占めており,これら品目の輸送のための油送船,専用船の就航船腹量は,44年には総就航船腹量の66.3%と大きな比重を占めている。

  原油の輸入量は1億4,545万トンで,このうち邦船は65.7%にあたる9,554万トンを輸送した。原油の輸入は,わが国の総輸入量の37.5%を占めて輸入量の第一位であり,前年に比べて19.7%増となつた。原油の輸入先を地域別にみると, 〔1−2−7図〕に示すとおり中近東からの輸入量が1億2,821万トンで,原油輸入量の88.1%を占め,圧倒的に多く,しかも前年にくらべて16.0%増となった。東南アジアからの輸入量は1,506万トンで,原油輸入量の10.4%であるが,前年に比べて57.8%も増加をしていることが注目される。これは,インドネシアの石油資源の開発の進展による,供給量増によるところが大きい。

  鉄鉱石の輸入量は,8,325万トンで,前年にくらべ22.1%増加した。このうち,邦船は39.3%を積取つた。鉄鉱石の輸入先を地域別にみると,オーストラリアからの輸入が2,324万トンで,前年比68.2%の急激な増加となり,鉄鉱石の輸入量の27.9%を占めている。つづいて,東南アジアからの輸入量が2,060万トンで,前年に比べ6.0%増,南米からの輸入量が2,058万トンで,前年比12.6%の増となつた。一方,北米からの輸入量は520万トンで,前年に比べて5.9%の減である。
  石炭の輸入量は4,116万トンで,前年比27.0%増加した。うち邦船は32.2%を積取った。輸入先を地域別にみると,北米からの輸入量が2,012万トンで,全体の48.9%を占め第1位で,前年に比べ30.7%の大幅な増加となつた。オーストラリアからの輸入量は1,555万トンで,全体の37.8%を占め,前年に比べ29.6%増となつた。石炭の輸入においては,北米とオーストラリアが圧倒的比重を占めている。


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