3 輸送方式の近代化


  わが国は,44年に3億8,773万トンの原油,鉄鉱石,石油などの原材料等を海外に仰ぎ,3,683万トンの製品を海外に送り出しており,国際貨物輸送に大きく依存している。しかも,既に述べたように,経済の伸長にともなつて,わが国の輸出入貨物量は経済成長率を大きく上回って増大していくことが予想される。こうした,拡大する膨大な輸出入貨物量を,安定的,効率的に輸送することは,わが国経済の高度安定成長のための不可欠の要件である。このため,近年,輸送力の大幅な拡充と輸送方式の近代化が,いつそう強く要請されている。
  海上貨物輸送力の拡充については,40年以降年間200万総トンを超える外航船腹が建造されており,外航船腹量は40年3月末の830万総トンから,45年3月末には2,004万総トンヘと2.4倍に達した。
  輸送方式の近代化については,輸送コストの低減をはかるため, 〔1−2−8表〕のとおり,油送船,鉱石専用船,自動車専用船などの専用船の拡充が大幅に進められ,しかも, 〔1−2−9図〕のように,年々船型が大型化している。

  また,定期船部門では工業品,雑貨等をユニツト化,専用化,大量化して輸送し,荷役の機械化と船舶の高速化により船舶の運航効率を高め,輸送コストの低減をはかろうとするコンテナ化が進み 〔1−2−10表〕のように,大型高速コンテナ船の拡充が進められている。
  さらに,航空貨物輸送においては,従来の大型ジエット機の約2倍の輸送力もつジヤンボ・ジエツト機の登場によって,航空コンテナ輸送に新しい時代の幕が開かれようとしている。


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