1 主要幹線の複線電化


  複線化については,44年度に227.7キロが完成し,主要幹線についてみると,北陸本線(100%),室蘭本線(85%),中央本線(68%),千歳線(65%),常磐線(64%),鹿児島本線(61%),信越本線(58%),函館本線(55%)の8線区については,すでに50%以上が複線化されており,その他の線区についても輸送需要等を勘案しつつあい路区間より逐次複線化が推進されている。なお,44年度における完成キロは, 〔I−(I)−11表〕に示すとおりである。

  つぎに電化については,動力近代化計画のもとに逐次電化工事を実施しており,44年度は7線区286.5キロが完成して輸送改善,近代化が図られたほか,日本海沿岸を縦貫する羽越本線(自新線を含む)新津・秋田間奥羽本線秋田・青森間(47年10月完成見込),東海道線鶴見・桜木町間(45年10月完成見込)等6線区の建設工事に着手した。
  44年度の電化完成キロは 〔I−(I)−12表〕に示すとおりである。
  なお,国鉄は電化線区の増大に伴なう電力需要に対処するため,自営電源の増強を図つており,信濃川水力発電所(小千谷)第4期工事が44年11月に完成をみ,自営発電所による供給量は,年間総使用量の4分の1に達し,東京周辺における幹線輸送及び通勤輸送はすべて自営電源により,安定し供給できることとなつた。さらに,今後東京周辺の線増電化等に伴う電力需要増に対処するため,44年10月川崎火力発電所の増設工事に着手し,47年6月完成を目途に工事中である。
  今後の主要幹線における複線電化等の設備投資については,44年度を初年度とする国鉄財政再建計画に基づき実施されることとなるが,従前より重点的に各線区の輸送需要の動向,国民経済的効果等を考慮しつつ逐次整備されることとなろう。


表紙へ戻る 次へ進む