1 日本国有鉄道


  最近の人口の大都市集中化,市街化区域の拡大等に伴う大都市附近における通勤通学輸送量の増加に対処するため,国鉄は,線路増設による輸送施設の抜本的改善を主体として,主要ターミナルの改良,車両基地の増強等を強力に推進している。
  44年度東京附近においては,東海道本線東京・小田原間の複々線化,および一部3複線化,総武本線東京・千葉間,常磐線綾瀬・取手間の複々線化,東北,高崎線中距離電車15両運転設備,東京,上野等の駅改良,幕張等車両基地新設などの諸工事を実施するとともに,通勤線区の編成長増大および地下鉄5号線の中央線三鷹駅,総武線津田沼駅への相互乗り入れ等を図つた。
  一方,大阪附近においても,東海道本線草津,京都間の複々線化,大阪,鶴橋等の駅改良,大阪環状線電車8両運転設備,電車基地等の新設等諸工事を実施しており,東海道・山陽本線の快速電車の増結,大阪環状線電車の増発等を図った。なお,これらの諸対策に伴って東京,大阪地区に新製車両約200両を投入した。


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