4 労働問題


(1) 労働関係

  国鉄には,現在,総評系の国労及び動労,同盟系の鉄労の3つの労働組合があり,これらの組織に属する組合員は,45年4月現在,国労26万9,758人,鉄労7万4,883人,動労5万5,707人となつている。
  44年における国労及び動労のおもな闘争としては,3月に運賃値上げ及び合理化反対闘争を,4月〜5月には春闘第1次,第2次及びEL・DL〈電気機関車,デイーゼル機関車)助士廃止反対闘争を実施し,10月には長い間懸案であったEL・DL助士廃止問題の最終決着をつけた最大のストライキを10月31日から11月1日にかけて行なつた。
  このため,44年は約9,000本の列車運休と約18,000本の列車の遅延を生じた。
  45年における国労及び動労の闘争は,前年に行なつたEL・DL助士廃止闘争及び首相訪米阻止闘争に対する国鉄当局の処分発表に対抗して,処分撤回闘争を2月中旬に行なつたことに始まり,春闘に入つた。
  45年の春闘は,総評の統一行動としては3月15日の第1次行動にはじまり,第4次の4月30日まで行なわれ,国労及び動労もこれに参加した。このうち国労及び動労は4月30日と5月8日の2回にわたり公労協及び交運協の支援と自らの賃金問題の決着のほか合理化に反対してストライキを実施したがいずれも労使の話合がつき突入後中止された。

(2) 要員問題

  国鉄の職員数は,45年4月1日現在で46万0,524人であり,26年以降現在までほぼ横ばいの線を維持し,職員の労働生産性を向上させる方,合理化によつて生み出された労働力を配置転換により有効に活用してきた。
  さらに,今後の要員の縮減については,すでに44年度から実施されている国鉄財政再建計画の線に沿つて,小駅の整理,動力の近代化及び保守方式の近代化等業務輸送全体について,安全を十分確保しつつ,徹底した合理化を推進することにより,将来の業務量増を省力化によつて吸収し,なお退職者の一部不補充によつて53年度までの10年間に6万人の要員の縮減を行なつて行く予定である。


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