1 営業用
営業用の車両数および営業車による走行キロは, 〔I−(II)−2表〕のとおりである。
44年度における営業用車の車両数の対前年度伸び率は6.4%である。また,44年度における営業用車による走行キロの対前年度伸び率は9.2%である。
乗合バスの免許路線キロは,44年度末においては19万キロであり前年度比は1.3%の増加を示している。新たに乗合バス路線が設けられたのは,(1)大都市周辺部の住宅団地等新設地域,(2)工場,学校等の新設地域等である。
特記すべき事項として,近年の高速道路における長距離バスの発達がある。長距離バス系統は従来,運行回数の少ない鉄道の補完的機能を営むものや大都市と観光地間を運行するものが大部分であつたが,道路整備の進行と並列して漸次都市間を結ぶ中長距離のバス路線の設定が行なわれるに至つた。
昨年6月から運行を開始した東名高速バスは本格的な都市間高速バスとして東京・名古屋間を1日41往復,所要時間5時間20分(特急)で運行しておりスピード,運行回数とも今までの長距離バスにはみられない高水準のサービスを提供している。
次に輸送量についてみると,前年度比,乗合バスは輸送人員99.9%,輸送人キロ101.3%で,ほぼ横ばいに止まった。このように,乗合バスの輸送量の伸びが39年度を境として伸びなやんでいる(付属統計表参照)のは,主として,農山村漁村部における人口の都市流出,大都市における交通渋滞に基づく輸送需要の減退および大都市における地下鉄の新線建設に伴う地下鉄への転移等に起因するが,自家用自動車の普及による全般的な輸送需要の減退等も大きな影響を与えている。
貸切バスは,輸送人員2.2%減,輸送人キロ4.0%増,ハイヤー・タクシーは輸送人員6.7%増,輸送人キロ9.5%増を示している。
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