1 船員賃金の概況


  船員の賃金水準は,陸上労働者の賃金同様若年労働力のひつぱくによる初任給の上昇,諸物価の上昇などの要因が重なつて年々上昇を続けている。 〔II−(II)−10表〕は,船員と陸上労働者(男子)の定期給与を比較してみたものである。これによると気船船員の定期給与は,海上労働の特殊性もあつて,陸上の大手会社(雇用規模500人以上)のそれよりもかなり高くなつているが,3,000トン以上(外航)と大手会社との格差がほぼ50%近いのに比べ3,000トン未満 (内航)と中小会社(5人以上)との格差が20%前後にすぎないことは,労働力を確保するうえで,充分な条件たり得るか検討の必要があろう。


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