2 空港整備5カ年計画の進捗状況


  政府は,空港を計画的かつ緊急に整備する必要があると認め,昭和42年度を初年度とし,総事業費を1,150億円(新東京国際空港に係るものを除く)とする空港整備5ヵ年計画を44年3月閣議決定した。

(1) 空港整備5ヵ年計画の内容

  空港整備5ヵ年計画における空港整備事業の目標および事業費はつぎのとおりである。

 イ 空港整備事業の実施の目標

  ○国際空港

       東京国際空港および大阪国際空港について,滑走路3,000メートル級に整備するとともに,エプロン,航空保安施設等を整備する。

  ○地方空港

      地方空港のうち緊急を要するものについて,原則として滑走路を2,000メートル級又は1,500メートル級に整備するとともに,エプロン,航空保安施設等を整備する。

 ロ 空港整備事業の事業費

     国際空港の整備および維持 370億円
     地方空港の整備および維持 550億円
     単独事業等 80億円
     調整項目 150億円
     合計 1,150億円

(2) 空港整備5カ年計画の進捗状況

 イ 昭和44年度の整備状況および45年度の整備計画

 (イ) 第一種空港

      東京国際空港については,44年度には,エプロン増設,国際線到着ビルの新設等の事業を実施した。45年度には前年度に引き続き,B滑走路の延長工事および無線・照明工事等を行なう。大阪国際空港については,44年度には,B滑走路の新設および無線,照明工事ならびにエプロンの増設および駐車場の完成等の事業を実施した。このうちB滑走路は45年1月に供用を開始した。45年度は引き続き平行誘導路工事および無線・照明工事等を実施する。

 (ロ) 第二種空港

      44年度は,函館,仙台,新潟,広島,松山,新熊本,新大分,宮崎,新鹿児島の各空港について,渦走路長を2,000メ-トル級〜2,500メートル級に延長および新設する事業を実施しており,45年度にはこれらの事業を継続実施する。

 (ハ) 第三種空港

      青森,秋田,八丈島出雲,種子島の各空港において,滑走路を1,500メートルに延長する。44年度には出雲空港の滑走路延長工事を実施した。45年度には,青森,八丈島,種子島の各空港において,滑走路延長工事を実施する。なお,秋田空港は43年度完成済である。

 (ニ) 共用飛行場

      千歳空港については,44年度にはエプロン増設等の事業を実施した。45年度には滑走路長を3,000メートル級に延長する事業を実施する。丘珠空港については,45年度にはエプロン増設工事を実施する。板付空港については,44年度にひきつづき,45年度にはエプロン増設および駐車場の整備を実施する。

 ロ 空港整備進捗状況

      以上の諸設備を実施するため,空港整備5カ年計画の初年度にあたる42年度においては空港整備事業費として新東京国際空港に係るものを除き,125億円があてられ,ひきつづき43,44年度にはそれぞれ136億円および164億円があてられた。45年度については204億円の事業費が予定されている。


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