2 騒音防止法に基づく対策


  このような事情にかんがみ,運輸省では,閣議了承をえて,東京および大阪国際空港における深夜(午後11時から翌朝6時まで)のジエツト機の発着を原則として禁止するとともに,東京国際空港における離着陸経路の規制を行なつてきたが,総合的に騒音対策を強化する必要から,今後はさらに積極的に航空機騒音対策を推進する必要があるとの観点から,航空審議会の答申を尊重して,42年第55特別国会に「公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律」案を提出し,成立をみるに至つた。
  この法律は,運輸大臣は公共用飛行場周辺における航空機の騒音により生ずる障害を防止し,また軽減するため必要があると認めるときは航空機の離着陸の経路,時間等を指定することができるものとするとともに,学校,病院等の騒音防止工事の助成,学習,集会等の用に供する共同利用施設の整備の助成,飛行場周辺の一定区域にある建物等の移転補償および土地の買入れ,農業等の経営損失の補償等の措置を講ずることにより,航空機騒音による障害の防止等を図るという内容のものである。
  この法律に基づき,運輸省では,42年度予算3億円,43年度予算5億3千万円,44年度予算10億円をもつて,東京および大阪両国際空港周辺で42の教育施設の防音工事と9つの共同利用施設の整備事業に対し,助成を行なつてきたが,45年度においては,予算18億円をもつて43年度からの継続事業のほか,新しく24教育施設の防音工事(防湿工事を含む。)と,11の共同利用施設の設備事業に対する助成,周辺一定区域の移転補償を行なう予定である。


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