5 諸外国の動向


  一方,諸外国においても騒音防止対策を実施している空港が多い。対策としては,使用滑走路とその使用方向の規制,空港計画上の配慮,空港周辺における土地利用規制,空港周辺の防音工事の助成等を行なつているところもある。
  また,騒音問題はICAOの場でも取りあげられ,44年末にはカナダ国モントリオールで,ICAO騒音特別会議が開かれ,わが国も,積極的に参加した。議題は,(1)航空機騒音の表現と測定法,(2)航空機騒音に対する人体の受忍限度,(3)航空機騒音証明制度,(4)航空機騒音軽減運航方式の設定基準,(5)周辺土地利用計画,(6)地上試運転騒音低減方法の6つからなつている。
  このうち,騒音証明制度は,航空機の重量ごとに一定の騒音基準を定め,この基準音以上を発生する航空機については,締約国の騒音問題を有する空港における離着陸を禁止しようとするものであり,画期的な対策である。ここで定められている基準レベルは,おおむね,現用の大型ジエツト機の発生する騒音より10〜15dB低いものであり,今後,新しく製造される航空機は全てこの制度の適用を受け,騒音の小さいものとなる。さらに,技術開発に応じた基準のレベルの低減が行なわれ,航空機騒音問題がなくなるまで続けられる。また,人体に対する受忍限度,空港周辺の土地利用計画についても,漸次,適切な勧告がなされる予定である。


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